TOEFL Overall 5.5 のスコアメイキング戦略

海外留学を目指す人にとっての最大の壁、TOEFL/IELTSスコアの獲得。この記事では、私がどのような戦略・経緯でTOEFLのスコアメイクをして、Overall 5.5点を獲得したのかについて書こうと思います。

目次

前提

海外大学院へのアプライの際には、日本で育ってきた人は通常は英語の試験の成績を提出する必要があります。多くの大学で受け入れられているのは、TOEFLかIELTSで、多くの受験生はそのどちらか一方に挑戦し、志望大学院の要求スコアを獲得するために奮闘することになります。

海外ロースクール(LLM)を受験する場合、個人的なおすすめはIELTSなのですが、私はIELTSとTOEFLの両方を受験したので、この記事ではTOEFLについて書いていきます。なぜIELTSの方がおすすめなのかは、以下参照。

なぜ私がIELTSに加えてTOEFLを受けたか、それはTOEFLしか受け入れていない大学院(ハーバード及びスタンフォード)を受験したからというシンプルな理由です。なお、TOEFLは旧形式(120点満点)と新形式(6点満点)の両方を受験しました。

合格のために何点必要か?

受験する大学院によって、必要な点数は異なります。まず最初に大事なことは、

獲得すべきスコア  大学院のHPの応募要項等に記載されているスコア

です。

つまり、公表されている点数を取れれば他の受験生に太刀打ちできるということでは必ずしもないし、かつそれを取れなかったら絶対に落ちるというわけでも必ずしもないということです。

例えば、ハーバードLLMでは、TOEFL100点(旧形式。新形式でいうと5~5.5点あたり)をminimum scoreとしていましたが、コースにもよるものの実際の日本人合格者は少なくとも110点は取っていた人が多いようです。つまり、この場合の100点は「どれほど優秀な人だったとしても100点がなければ落とすよ」という意味であって、他の受験生と対等な土台で勝負するためにはそれだけでは足りないというわけです。

逆に、例えばUC Berkeley LLMDuke LLMもTOEFL100点(旧形式)をminimum scoreとしていましたが、過去100点未満(93点等)で合格している方も複数いるようであり、100点がなくても合格することが可能でした(もちろん不利にはなると思うので、100点あるに越したことはないのですが)。感覚としても日本人受験生は100点(新形式の5~5.5点)あたりがボリュームゾーンなのではないでしょうか。

過去の受験生の合格点については、留学予備校のアゴス(出願・学校情報)が開示をしているので、そちらを参考にしつつ自分の志望校についての本当の目標獲得点を分析してみてください。

Overall 5点、そして5.5点をとるための配点戦略

私のケースでいえば、志望校を踏まえるとTOEFLはOverall 5.5点(旧形式でいうと、できれば110点が欲しく、最低でもColumbia LLMのminimum scoreを満たす105点が必要)が必要でした。

目標達成のために、Reading、Listening、Writing、Speakingの4セクションで、どのような分配で点数をとろうかを色々と試行錯誤しながら考えたのですが、結論としてはOverall 5点、そしてその先の5.5点を目指すのであれば、以下の配点を目安にすると良いのではと思いました。

Overall 5点の配点戦略

Reading & ListeningWritingSpeaking
Overall 5片方で5.5、もう片方で54.54

この配点では、各セクションの合計点が19点となり、結果overall scoreは5点(19÷4=4.75 で切り上げ)となります。

なおこれは、以下のような人を前提にしたものです。

  • 長期の海外生活をしたことがない、いわゆる純ジャパの人
  • ReadingとListeningは、大学受験やTOEICで頑張った経験がある
  • WritingとSpeakingについては、英語の試験を受けたことがほとんどない
  • 志望校において、各セクションのminimum scoreが設定されていない

さて、この配分の理由ですが、まずSpeakingは点数を上げるのにも〜のすごい労力と時間がかかります。ReadingとListeningが筋トレなら、Speakingは盆栽です。毎日世話をしても急な成長はしません。

加えて、Speakingはかなり頑張ったとしても大体の人は発音や語彙力の関係で、4.5点あたりで限界が来ます。そこで、この配点戦略では、試験にある程度慣れたら取れるであろうレベル感の4点を目標とします。

次にWritingですが、これもSpeaking同様に点数アップに時間がかかるものの、他のセクションと比べると小手先のテクニカルな攻略が可能です。特に前半のメールの文章を書くパートは、典型的なパターンが決まっているので、それをある程度覚えてしまえば、4.5点は手の届く範囲内だと思います。

この上で、残りの得意なReadingとListeningで合計10.5点(片方が5.5点、もう片方が5点が一番簡単でしょう)を目指す戦略です。

Overall 5点は、ロースクール(LLM)を含む海外大学院受験での最初の目標点であり、これが取れれば大半の学校には出願可能となるはずです。

Overall 5.5の配点戦略

ReadingListeningWritingSpeaking
Overall 5.55.55.55.54.5

この配点で、各セクションの合計点が21点となり、結果overall scoreは5.5点(21÷4=5.25 で切り上げ)となります。

まず、普段英語をそこまで話していない純ジャパがSpeakingで5点以上を取るのは異常値なので、4.5を現実的な限界値として設定します。

ちなみに、この理由から、Speakingで5点以上をminimum scoreとして設定しているコロンビア大学やペンシルベニア大学等を志望する場合は、TOEFLではなくIELTSに取り組む方が良いのではと思っています。TOEFLの5点はIELTSの7点と同じ扱いをされることが多いのですが、Speakingについて言えば、IELTSの7点の方がほとんどの人にとっては簡単なはずです。

その上で、残りの3セクション(Reading, Listening, Writing)で合計16.5点を取らねばならないのですが、今回の配点では一応それぞれ5.5点としてみました。ただ、ReadingかListeningが得意で、どちらかは6点を取れる、という人は、Writingの目標点を5点に下げた方が最速で達成できると思います(Writingの高得点安定化には時間がかかるため)。

Overall 5.5点は、米国ロースクールの中で最も高い英語要件(本記事執筆時点)を課しているコロンビア大学のminimum scoreであり、かつハーバードやスタンフォード等の超々難関校の受験生のベースラインです。

私のTOEFL受験履歴

最後に、私がTOEFLを受験した際の履歴を書き残しておきます。

前提として、私がTOEFLを受け始めた時点での英語関係のステータスは以下のとおりです。

  • 高校生の頃からいわゆる「受験英語」はある程度得意
  • 大学在学中もサークル活動で英語に触れる機会あり
  • 仕事では英文契約を日常的に読んだり書いたりするものの、話す機会はほとんどなし
  • TOEICは2024年1月時点で960点(L:495, R:465)、2025年9月時点で980点(L:495, R:485)

その上で、以下が私のTOEFLの受験記録です。
※ なお2026年以前に受けた旧形式(120点満点)のTOEFLは、新形式(6点満点)の点数に変換しています。

ReadingListeningWritingSpeaking総合点
2024/10/2429 (6)27 (5.5)21 (4.5)18 (3.5)95 (5)
2025/1/930 (6)26 (5.5)22 (4.5)20 (4)97 (5)
2/1326 (5)28 (6)21(4.5)22 (4)97 (5)
2/1730 (6)30 (6)25 (5)22 (4)107(5.5)
2026/1/2465.55.53.55
1/3155.55.54.55
2/45.565.54.55.5

見てわかるとおり、私はReadingとListeningが得意で、Writingは耐え、Speakingは祈るという、典型的なお受験マシーンの如きパラメータ配分でした。

ReadingとListeningについては、出題内容は大体TOEICと一緒(Readingの最初の穴埋め問題を除く)なので、TOEICの点数と比例すると考えて差し支えありません。TOEICで満点に近い点数を取れる人なら、数回受験すればTOEFLでも満点を取れるだろう、と言う感じです。

次にWritingについては、当初は苦手科目だったのですが、慣れてコツを掴むと右肩上がりに点数があがりました。Writingは、慣れるまでに時間がかかるのですが、一回強みにしてしまえばその後は点数があまり上下せずに安定的に点を得られるセクションだと思います。

なお私の場合、2025年2月の後、同年7月〜10月頃にかけてIELTSのWritingを対策したので、それとの相乗効果で2026年は全て5.5点という結果になったと思います。結局、Writingは実際に自分で問題を解いて書いてみた分だけ着実に成果がでてくる科目なので、努力でねじ伏せて味方につけましょう。

そして最も苦労したのがSpeakingです。私はある程度の雰囲気・コツを掴んだ段階でも4点しか取れず、点数の成長速度が他のセクションに比べてかなり遅かったです。最後にゼェゼェ言いながら4.5点をギリギリ取ることができました。

↑Speaking 4.5点を達成したときの私
© 2004 Diana Wynne Jones/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDMT

Speakingは、前半パート(復唱パート)は日々の練習が、後半パート(質問回答)は予習が、モノを言うので、4.5点以上を獲得したい人は本当に早めから準備を重ねておくことが大事だと思います。

余談

Home Editionについて

TOEFL iBTは、試験会場に行って受験する通常のものの他に、Home editionというものが用意されています。これは、TOEFLを自宅で受験できるというスグレモノ。特にSpeakingについては、気になる周囲のノイズなしのストレスフリー環境でTOEFLを受験できるのでおすすめです。

ただし注意点は、一部の大学(スタンフォード、NYU等)ではHome Editionを受け付けていないことです。例えば、スタンフォードLLMのHPでは、以下のような記載がされており、Home Editionも一応はOKのような書きぶりがされています。

Applicants who submit the TOEFL iBT Home Edition may be asked to submit a subsequent in-person test result and/or be required to undergo additional language assessment prior to a final admissions decision and/or matriculation.

ですが、これは詐欺ミスリーディングで、基本的には通常のTOEFLしか受け付けてもらえません。私の場合、Home Editionで出願した20日後のクリスマス直前に、以下のようなプレゼント(メール)をAdmission officeから受け取りました。

Dear Sakurai,
As we were processing your application for the LLM program, we noticed that your TOEFL test was taken at home. The internet-based TOEFL test is administered worldwide and we require in-person tests where they are available.
Based on your current address, there are exam centers available in your country of residence. Please submit a score obtained from a TOEFL test taken at an exam center. Until we receive this in an updated CAS report from LSAC, your application will remain incomplete.

だったら最初からHPにそう書いとけや💢、という怒りを抑えつつ、結局私はこのせいで新形式のTOEFLを受け直す羽目になりました(旧形式のTOEFLはすべてHome Editionで受けてしまっていた)。スタンフォードLLMを受験する人は注意してください。

嘘は嘘であると見抜ける人でないと(Home Editionを受けるのは)難しい

英語予備校について

私は全て自学でTOEFL/IELTSを受験したのですが、世にはTOEFLやIELTS対策をしてくれる予備校が複数存在します。

個人的には、ReadingやListeningは市販の本や自学で事足りる気がしたのですが、WritingやSpeakingはある程度のコツと実践が必要なので、お金に余裕がある人・目標スコア獲得期限までの時間がない人は予備校に行くことを検討してみてもいいと思います。そちらの方が、一人で苦戦するよりも楽に目標点を達成できるはずです。
(無料の体験コースを用意している予備校もあるようなので、最初にそれだけ受けてタダでコツを伝授してもらうのもありだと思います。)

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