インハウスがLLMを受験した結果と進学先決定

インハウスローヤーの私が海外ロースクール(LLM)を受験した結果と、進学先決定の理由を、一切隠すことなく書いてみます。

落ちた大学を書くのも恥ずかしいので、最初は合格した大学だけイキって載せようとも思ったのですが、後輩のために落ちた記録も残しておくことにしました。

目次

前提

私の各種ステータスは以下のとおりです。(これを書いておいた方が、後輩が判断しやすいと思うので)

学歴

某国立大学(法学部)→予備試験・司法試験→司法修習
成績:学部GPA:3.4
   司法修習:実務修習 優×4、集合修習 良上×4
   LSACの評価で言うと、どちらもB評価(”Above Average”)換算でした。

この学部のGPAが、足を引っ張ることになります。(日本の大学生としてはそんなに悪くはないはずなのですが、海外の超一流大学を受ける学生からすると、最低3.8はあって当たり前で、3.4は落ちこぼれだそうです。)

ちなみに、司法修習の二回試験の点数はLSACに提出されないので一切関係ありません。
当時、将来の留学のためと思って頑張って勉強した意味はマジでありませんでした

職歴

商社法務部でインハウスとして勤務。M&A案件や新規事業立上げ(そして日々の細かい契約のレビュー・法律相談等)に従事。

なお、弁護士事務所で勤務していないことが、どの程度マイナスに働くのかは最後まで分かりませんでした。
個人的な感想としては、弁護士資格を有している人の中で、インハウスが不利に扱われているとまではいえない気がします。一方で、企業法務系の弁護士事務所で働いている場合は、以下の事情から事実上有利になる可能性が高いと思いました。

  • 大きめの案件を履歴書に多く書ける
  • 書籍・論文の執筆や講義をしている場合がある
  • 推薦状を書いてもらうパートナーの出身校で有利に働く
  • 特定の大学によっては特定の事務所について事実上の枠が用意されている場合がある

ちなみに、弁護士資格を有していない民間企業の法務部・政府機関勤務の人も、普通にLLMは合格するので、弁護士資格はチョットダケ有利になるくらいだと思います。

英語

TOEFL:Overall 5.5 / 6 (Reading 5.5 Listening 6 Writing 5.5 Speaking 4.5) 旧形式換算だと合計110。
IELTS: Overall 8 / 9 (Reading 9 Listening 8 Writing 7.5 Speaking 7)

米国の大学は全てTOEFLで出願していて、IELTSは提出していません。逆に英国の大学は全てIELTSで出願しました。

推薦状

学部のゼミの担当教授、司法修習の教官、職場上司から1通ずつ。抜群の実績を残しているわけではないので、おそらく人並みのことを書いていただいています。

普通は学部・ロースクールの教授から2通と上司から1通もらうことになると思います。私はロースクールに行っていないのと、学部で良い推薦状を書いていただけそうな教授がお一人しかいなかったので、司法修習のときの教官に書いていただきました。なお、これが不利に働いたという実感は個人的には一切ありませんので、修習の教官にお願いして良かったと思います。

合否結果

お待たせしました、以下が私の合否の結果です。全部で10校受験して、その半分から合格をいただきました。

合格🌸

🇺🇸 コロンビア大学    (12/3アプライ→3/7通知)
🇺🇸 シカゴ大学      (12/15アプライ→2/16通知)
🇺🇸 ニューヨーク大学   (12/18アプライ→2/14通知)
🇺🇸 UC Berkeley      (12/20アプライ→ 3/3通知)
🇬🇧 King’s College London (12/13アプライ→12/17通知)

米国の4校、英国の1校に合格しました!

まず最初に、KCLから12月中(しかもアプライの4日後!)に合格をもらえたので、とても安心して年末年始を過ごせました。KCLはRolling Admission方式(合格を出せる人から出していく方式)なのですが、通常11月までにはすべき出願を12月中旬という遅い時期にしたため、サッと審査がされたのだと思います。なおKCLは合格を早く出すかわりに早めのdeposit入金を要求されるのですが、他校からの合格待ちをしているからdepositを待ってくれ、と連絡したら期限を伸ばしてもらえました。

コロンビア大学やシカゴ大学等の難関校から合格がもらえたのは、TOEFLが基準点以上に取れていたのが大きかったかな、と思います。両校、特にシカゴ大学は、英語力を比較的重視するという噂です。なおUC Berkeleyについては、今年から任意の英語試験(ビデオアセスメント)が導入されたのですが、受験せずとも問題なく合格をもらえたので、TOEFL/IELTSが基準点に達している人は無理して出さなくてもいいのかも、と思いました(自己責任でお願いします)。

ちなみに合格すると、各校からパンフレットやシールが送られてきたり(NYU, Berkeley)、合格祝賀会やWhatsApp groupに招待されたり(シカゴ)、自校の魅力を伝えるウェビナーに招待されたり(コロンビア、シカゴ)して、とても嬉しい気分になれます。ただ、シカゴ大の合格者専用WhatsApp groupに入ったところ、そこに詐欺師が紛れ込んでいて(本当になぜ)、「早い者勝ちでMac bookあげるよ!」っていう在校生を騙った巧妙な詐欺メッセージが全体で流されたり、詐欺の電話がかかってくるようになったりして、とても迷惑でした笑 ハンター試験かよ

不合格😭

🇺🇸 ハーバード大学    (12/2アプライ→3/18通知)
🇺🇸 スタンフォード大学  (12/2アプライ(LST)→5/5通知)
🇬🇧 オックスフォード大学 (11/5アプライ(MLF)→3/21通知)
🇬🇧 ケンブリッジ大学   (11/20アプライ→3/10通知)
🇬🇧 LSE         (11/14アプライ→12/12通知)

完全に個人的な感想というか推測ですが、不合格になった大学のうち、スタンフォード大学以外の4校はGPAが足を大きく引っ張った気がします。(もちろん他の色々な要素も足りなかったのだと思いますが)

特に英国の大学はGPA絶対主義的なところがあり、出願時点でも合格は厳しいだろうなぁと思っていたところ、案の定の結末でした。LSEは分かりませんが、オックスフォード(MJur, MLF)とケンブリッジ(LLM, MCL)に出願するのであれば、学部の卒業時に成績優秀で受賞をしている程度のGPAがあって初めてまともな戦いになる気がします。オックスフォードは、毎年の生徒について、成績を含めたプロファイルを公表しているので、見てみるとよいと思います(一例:Oxfordのclass of 2025の生徒一覧)。ここに合格できる人は本当にすごい、今後の日本を何卒お支えください。

出願のときは、私のこの低い学部GPAを、予備試験・司法試験の順位や司法修習の成績で上書きできないかなと、中学生の初恋並みの淡〜い期待を抱いていました。が、おそらくできなかったということでしょう。

一方でスタンフォード大学は、コース次第では過去あまりGPAが高くない人も合格している印象があったのですが、なにぶん合格枠が少ない(60人〜70人)ので、数多の受験生の中に埋もれない、キラリと輝く✨Personal Statement✨が必要だったのだと思いました。ちなみにスタンフォードLLMは(不)合格発表が遅いことで悪評があり、実際に私は5月に通知がありました(優秀な合格者は4月中には連絡が来るようです)。2ちゃんねるのような海外のLLM用掲示板では、毎年3〜4月頃になると受験生の悲鳴・苦情・うめき声・恨みつらみが聞こえてきます。

悲鳴の一例はここをクリック

https://llm-guide.com/board/usa/stanford-2025-26-259959/19

↑More as arrogance than excellenceというフレーズがおしゃれで好き

ただ、ここで声を大にして言いたいのは、合格は厳しいだろうな、と思う学校でも、どうせなら出願してみた方がいいということです。仮に不合格だったとしても、こうやって記事をネット上に残さない限りはキャリアに何の傷がつくこともありませんし笑、不合格の悔しさをバネにして今後頑張ればいいからです(自戒を込めて)。

進学先の決定

米国と英国で迷い、かつ米国の中でもコロンビア大学とシカゴ大学で迷いましたが、結論

コロンビア大学(Columbia University)

に進学することにしました!

シカゴ大学は、① LLM生の数が少ない(70〜80名。コロンビア大学は300名!)のと、② 3学期制度で色々な授業が取れそうなことにかなり惹かれて迷いましたが、① 立地(治安はNYも大概なので別にいいのですが、東海岸の生活の方がより刺激があると思いました)と②気候、③ 日本での知名度を踏まえてコロンビア大学にしました。

でも、もしシカゴ大学がNYにあったら、シカゴ大学に行っていたと思います笑

ちなみに大学ランキングでいうと、コロンビア大学は世界大学ランキング(ロースクール)(2026)で4位、U.S NewsのUS ロースクールランキング(2026)で9位です。一方シカゴ大学は前者で9位、後者で2位です。あんまり変わりませんね。というかそもそもこの類のロースクールランキングはLLMではなくでJDを念頭に作られている(らしい)ですし、評価基準もバラバラで信用ならないので、あまり意味がないかもしれません。

コロンビア大学のあれこれやNYの暮らしは、気が向いている限りは本ブログで投稿しようと思っていますので、ぜひご覧ください!

1年後に、「コロンビアに行って本当に良かった!」と言っているのか、「シカゴ or KCLにしておけば良かった…」と言っているのかはまだ分かりません。

そのあたりも含めて、できるだけ正直に書いていこうと思います。

目次